目次
- 不在着信への自動SMS返信とは?
- 職人はなぜ電話に出られないことが多いのか?
- 自動SMS返信はどう動くのか?手順を追って説明します
- 1. お客さまがいつもの番号に電話する
- 2. 出られなかった電話が転送される
- 3. 相手に短い音声が流れる
- 4. 数秒以内にSMSが届く
- 5. 返信はひとつの受信箱に届く
- 6. 内容を把握したうえで折り返す
- 自動返信のSMSには何を書けばいい?
- ホームページの「タップで電話」や見積もりフォームとどう組み合わせる?
- お客さまにSMSを送るときのルールは?
- よくある質問
- 今使っている携帯電話の番号で使えますか?
- 自動でSMSを返すのは法律的に問題ありませんか?
- 留守番電話よりよいのですか?
- 費用はどのくらいかかりますか?
屋根の上、はしごの上、流し台の下、あるいは現場への移動中に電話が鳴る。出られない。手が空いて折り返したころには、お客さまはもう別の業者に頼んでいる。検索結果の次の業者に電話をかけたからです。
この問題へのいちばん手軽な対策が、不在着信への自動SMS返信です。電話に出られなかったとき、数秒以内にお客さまへ事業者名でSMSが届きます。「お電話に気づいています。ご用件は何ですか」と伝えることで、お客さまに待つ理由ができます。
私は職人系・サービス系のビジネス向けにホームページと集客の仕組みを作っていて、この自動SMS返信もそのひとつです。職人向けの集客プラットフォーム「PosFlex」にも組み込みました。この記事では、仕組み、SMSの文面、ホームページとの組み合わせ方、守るべきルールを順に説明します。
この記事のポイント
- 出られなかった電話の相手に、SMSを1通だけ自動で送る仕組みです。
- 多くの場合、電話会社の転送電話を使うので、今の電話番号はそのまま使えます。
- 文面は短く、名乗って、質問はひとつだけ。
- ホームページの「タップで電話」と短い見積もりフォームと組み合わせると効果的です。
- 電話をくれた人にだけ送り、内容は問い合わせへの返信に限り、地域のルールを確認しましょう。
不在着信への自動SMS返信とは?
小さな自動化の仕組みです。お客さまが電話をかけて誰も出なかったとき、システムがそれを検知して、事業者からのSMSをその番号に送ります。たとえば「お電話に出られず申し訳ありません。現在作業中です。ご用件をお聞かせください」といった内容です。
お客さまは都合のよいときに返信でき、こちらも手が空いたときに読めます。無言で終わっていたはずの電話、誰も聞かない留守番電話が、名前、番号、作業内容が残る文字のやりとりに変わります。
職人はなぜ電話に出られないことが多いのか?
仕事が体を使うものだからです。事務所型のビジネスなら机に座っている人がいます。職人の多くは、親方と、職人仲間か見習いが数人。全員が現場に出ています。
- 屋根やはしごの上。瓦を持ったままスマホには手が伸びません。
- 運転中。現場から現場へ、資材の買い出し、高速道路の上。
- 作業中で手が汚れている。左官、配線、水回り、天井裏。
- 営業時間外。水道管の破裂や停電は、朝9時まで待ってくれません。
困るのは、水漏れで慌てているお客さまは留守電を残して待ったりせず、次の番号にかけることです。返信の速さについていちばんよく知られている研究は、電話ではなくウェブからの問い合わせについてのものです。2011年のハーバード・ビジネス・レビューの記事では、米国の2,241社にテストの問い合わせを送った研究者が、1時間以内に連絡を試みた企業は、それより遅い企業に比べて見込み客と有意義な会話ができる可能性が7倍近く高かったと報告しています。職人を対象にした研究ではありませんが、教訓は同じです。たいてい、最初に返事をした業者が仕事を取ります。
自動SMS返信はどう動くのか?手順を追って説明します
細かい点は電話会社や国によって違いますが、流れは同じです。
1. お客さまがいつもの番号に電話する
車や名刺、Googleビジネスプロフィール、ホームページに載せている番号はそのままです。お客さま側は何も変わりません。
2. 出られなかった電話が転送される
多くの携帯電話会社やビジネス向け電話サービスには、応答がないとき(または話し中のとき)に転送する設定があります。一定回数鳴っても出なければ、電話は自動SMS返信のシステムが管理する別の番号に転送されます。お見積もりの前にお使いの電話会社を確認するのはこのためです。対応していなければ、別の方法を考えます。
3. 相手に短い音声が流れる
いつもの留守番電話の代わりに、「ただいま電話に出ることができません。このあとSMSをお送りします」といった数秒の音声が流れます。SMSが突然届いて驚かれることがありません。
4. 数秒以内にSMSが届く
転送先の番号がサーバー上の小さなプログラムを呼び出します。私が作ったものでは、その通知が本当に電話サービス(この場合はTwilio)から来たものかを確認してから、相手の番号にSMSを送ります。
5. 返信はひとつの受信箱に届く
お客さまからの返信(「台所の蛇口から水漏れ。横浜市港北区。15時以降ならいつでも」)は、番号付きで、ホームページからの問い合わせと同じ場所に届き、通知も来ます。
6. 内容を把握したうえで折り返す
屋根から下りたときには、作業内容も場所もわかっています。折り返しの電話は短く済み、段取りのよい業者だという印象も残せます。
自動返信のSMSには何を書けばいい?
短く、人間らしく、誰からのSMSかがすぐわかること。質問はひとつ、次の行動もひとつ。そのまま使える例を3つ載せます。
基本:田中設備の田中です。お電話に出られずすみません、ただいま作業中です。ご用件と地域を返信いただければ、本日中に折り返します。
見積もりフォーム付き:ひかり電工です。お電話に出られずすみません。ご用件のご返信か、こちらからお見積もり依頼をどうぞ。hikari.example/quote
営業時間外:お電話ありがとうございます、山本工務店です。本日の受付は終了しました。お名前とご依頼内容を返信いただければ、明朝8時以降にご連絡します。
文面を書くときに私が守っているルールです。
- 最初に名乗る。知らない番号から事業者名のないSMSが来ても、まず読まれません。
- 1通に収める。日本語のSMSは、1通あたり全角70文字が目安です。超えると分割され、Twilioなどのサービスでは分割された1通ごとに課金されます。上の例は、どれも70文字以内に収めています。
- 質問はひとつ。「ご用件は何ですか」のほうが、質問の羅列より答えやすいです。
- 宣伝は入れない。「今週は10%オフ」などは書きません。これは返信であって広告ではありません。下のルールにも関わります。
ホームページの「タップで電話」や見積もりフォームとどう組み合わせる?
自動SMS返信は、いわば安全網です。そもそも電話がかかってこなければ働きませんし、電話をしたくないお客さまもいます。よい職人系のホームページは入り口を3つ用意し、それぞれが他の穴を埋めます。
| 入り口 | 使う人 | 得られるもの | 弱いところ |
|---|---|---|---|
| タップで電話ボタン | 急ぎの依頼、今すぐ答えがほしいスマホの利用者 | その場の会話。いちばん早く仕事につながる | 出られないと終わり |
| 不在着信への自動SMS返信 | 出られなかった電話の相手 | 電話番号と、文字で書かれた作業内容 | 電話だけが対象。電話しない人には届かない |
| 短い見積もりフォーム | 計画中の工事がある人、電話が苦手な人 | 作業内容、場所、電話しやすい時間 | 時間がかかる。項目が多いと離脱される |
それぞれが、他の入り口で取りこぼしたお客さまを拾います。3つそろえると、ほとんどの問い合わせが文字で残ります。
私が作る職人系のホームページでは、電話ボタンはどのページでもすぐ押せる位置にあり、見積もりフォームは作業内容、場所、電話しやすい時間だけを聞きます。SMSへの返信も含めてすべてがひとつの受信箱と管理画面に集まり、問い合わせごとに「新規 → 連絡済み → 見積もり済み → 受注」と進められます。返事のない見積もりには自動でフォローでき、予約はGoogleカレンダーの空き枠だけを使って直接入ります。詳しくは職人・工務店のホームページ制作のページに、仕組みの全体像はPosFlexの事例にまとめています。
そもそもホームページが見つけてもらえなければ、取りこぼす電話もありません。GoogleやAIアシスタントでの見つかり方については、ChatGPTやAIによる概要に地域のビジネスを引用してもらう方法で書いています。
お客さまにSMSを送るときのルールは?
私は弁護士ではありませんし、ルールは国や地域によって違います。それでも、次の原則を守っていれば大きく外れることはなく、SMSの効果も上がります。
- 電話をくれた人にだけ送る。自動SMS返信は、かかってきた電話への返信です。電話番号のリストを入れて一斉に送ったり、問い合わせのない人に送ったりしてはいけません。
- 内容は問い合わせへの返信に限る。日本では、総務省の説明によると、SMSも特定電子メール法の対象となる送信方法で、広告や宣伝のメッセージは原則として事前に同意した相手にしか送れません。英国でも、宣伝の内容を含むメッセージは、主目的でなくてもダイレクトマーケティングとみなされるとICO(英国の個人情報保護機関)が説明しています。「お電話に出られずすみません」だけのSMSなら、こうした問題から離れていられます。
- 送るのは1通だけ。返信がなければ電話で折り返します。自動のSMSを何通も続けて送ることはしません。
- 「送らないで」には従う。SMSを望まない人には、それ以降送りません。
- 米国向けなら登録が必要。米国の一般的な市外局番付きの番号からサービス経由でSMSを送るには、通信会社へのA2P 10DLC登録が必要で、登録しないとブロックやフィルタリングの対象になることがあります。
- 電話番号を大切に扱う。電話番号は個人情報です。誰かのパソコンの表計算ファイルではなく、受信箱と管理画面で管理しましょう。
実務上の限界もあります。非通知の電話には送り先がありません。固定電話からの着信には、たいていSMSは届きません。見積もりフォームをホームページに残しておく理由のひとつです。
よくある質問
今使っている携帯電話の番号で使えますか?
お使いの電話会社が「応答がないときの転送」に対応していれば、たいていは使えます。対応していないプランや、転送に通話料がかかるプランもあるため、お見積もりの前に確認します。
自動でSMSを返すのは法律的に問題ありませんか?
電話をくれたばかりの人への返信であり、宣伝のSMSを送るのとはまったく違います。問い合わせに関する短い1通に限り、宣伝を入れず、事業をしている地域のルールを確認してください。米国では事業者のSMS登録が特に重要です。
留守番電話よりよいのですか?
多くのお客さまにとっては、はい。留守電にメッセージを残したくない人でも、SMSなら返信できます。他の業者に電話をかけながらでも返しやすいのもSMSです。相手には短い音声も流れるので、何が起きているか迷わせることもありません。
費用はどのくらいかかりますか?
必要な機能と、電話サービスの1通あたりの料金によって変わります。どのプロジェクトも、着手前に書面で固定見積もりをお出しします。時間単価による想定外の追加費用はありません。
「タップで電話」、見積もりフォーム、不在着信への自動SMS返信をホームページに組み込みたい方は、職人・工務店のホームページ制作をご覧ください。