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日本でお店や会社を経営している方から、よく「英語のホームページは必要ですか?日本語だけで十分ですか?」と聞かれます。日本で事業をしている外国人経営者の方からは、逆に「日本語版はどこまで必要か」という質問をいただきます。2つ目の言語を作るには時間も費用もかかるので、当然の疑問です。
結論から言うと、お客様のうち一定の割合が別の言語で検索・閲覧・予約しているなら、2言語のサイトが必要です。そうでなければ、1つの言語をきちんと作るほうが、2つの言語を中途半端に作るよりずっと効果的です。そして2言語にするなら、翻訳と同じくらい「作り方」が大切です。
私は日本を拠点とするウェブデザイナー兼開発者で、国内の飲食店や小規模ビジネスの英語・日本語サイトを制作しています。このサイト自体も2言語で運営しているので、以下は理論ではなく実際にやっていることです。
この記事のポイント
- 観光客、在留外国人、海外のお客様、または外国人経営のお店の日本人客など、お客様が2つの言語で検索・予約するなら2言語サイトが必要。
- Googleの推奨どおり、言語ごとに別のURLを用意し、hreflangで対応するページ同士をつなぐ。
- すべてのページに見える言語切り替えを置き、ブラウザの言語で自動的に転送しない。
- 自動翻訳ウィジェットではなく本物の翻訳を使い、住所・電話番号・支払い方法・営業時間も現地向けに整える。
英語のホームページが必要なのはどんなビジネス?
私のところに相談に来られるのは、主に次の3つのタイプです。
在留外国人や訪日観光客をお客様にしている日本のビジネス。出入国在留管理庁によると、2025年末の在留外国人数は4,125,395人で、過去最多でした(nippon.comの報道より)。JNTO(日本政府観光局)によると、2025年の訪日外客数は42,683,600人で、こちらも過去最多です。駅前の飲食店、クリニック、美容室、宿泊施設、ツアー会社などなら、その多くが英語であなたのお店を探しています。
日本市場を狙う海外のビジネス。日本のお客様は、購入や問い合わせの前に日本語で内容を確かめたいと考えるのが一般的です。英語のサイトに問い合わせフォームがあるだけでは、なかなか信頼につながりません。
日本で事業をしている外国人経営者。日本には外国出身の方が経営する飲食店、ショップ、会社がたくさんあり、お客様の多くは日本人です。経営者は英語で考えていても、サイトは日本語で自然に読める必要があります。管理画面は英語で使いたい、というケースもよくあります。
私の飲食店のクライアント2社が、まさにこのパターンです。Tajは日光・河口湖・沖縄という観光地でインド料理店を運営しているので、英語版と日本語版をすべてのページで用意し、両方の言語で予約できるようにしました。観光バスで来る旅行会社向けの予約フォームもあります。横浜市・たまプラーザ駅近くのURBAN TADKAは、英語・日本語のウェブサイトに加えて、スタッフ用の2言語の管理パネルを備えています。
英語だけ?日本語だけ?両方?かんたん判断表
「国際的に見えるかどうか」ではなく、「お客様が誰か」から考えてください。私がクライアントと一緒に確認しているのが、この表です。
| お客様 | 必要なもの | 理由 |
|---|---|---|
| ほぼ地元の日本人、外国人客は少ない | 日本語のみ | 1つの言語をしっかり作る。観光客が増えてきたら英語を追加。 |
| 観光客や在留外国人が中心、日本人客は少ない | 英語が中心、日本語は基本情報 | 予約は英語でも、ホテルや旅行会社、日本の取引先は日本語のページを確認します。 |
| 地元の日本人と外国人客の両方 | 両方を完全に | どちらのお客様にも、同じメニュー・価格・営業時間・予約が必要です。 |
| 海外の会社で、日本に売りたい | 両方。日本語は日本向けに書く | 日本のお客様は、ネイティブ品質の日本語と日本の情報を求めます。 |
| 外国人経営で、お客様はほぼ日本人 | お客様向けは日本語、運営側は英語 | 公開サイトは自然な日本語で、管理は英語で行えるようにします。 |
| お客様は海外のみ、日本にはいない | 英語のみ | 日本語版を作っても、お客様には読まれません。 |
迷ったら、今の電話・予約・問い合わせがどの言語で来ているかを確認してください。それが本当の答えです。
多言語サイトをGoogleの両方の言語で表示させるには?
2言語サイトがつまずくのは、たいていここです。翻訳が完璧でも、Googleが見つけられなければ検索には出てきません。Googleの多地域・多言語サイトのガイドには、基本がはっきり書かれています。
1. 言語ごとに別のURLを用意する
Googleは、Cookieやブラウザの設定で言語を切り替えるのではなく、「言語ごとに異なるURLを使う」ことを推奨しています。英語と日本語が同じURLで、ボタンで文字だけ入れ替わる作りだと、Googleには1つの言語しか見えません。
方法としては、国別ドメイン、jp.example.comのようなサブドメイン、example.com/jp/のようなサブディレクトリがあり、?lang=jaのようなURLパラメータは「推奨しない」とされています。私はサブディレクトリを使っています。このサイトでは英語のページが / に、日本語のページが /jp にあります。Tajも同じ仕組みです。
2. hreflangで対応するページ同士をつなぐ
hreflangは、ページのheadに入れる小さなタグで、「このページには日本語版もあり、ここにあります」とGoogleに伝えるものです。Googleのローカライズ版についてのガイドでは、各言語版は自分自身とほかのすべての言語版を記載する必要があり、2つのページが互いを指していなければタグは無視される、と説明されています。どの言語にも当てはまらない人向けの代替ページを示すx-defaultについても書かれています。
このサイトでは、日本語版があるページに、hreflang="en"、hreflang="ja"、英語を指すx-defaultの3つのタグが自動で入ります。まだ翻訳していないページは /jp に存在せず、404を返します。日本語のURLで英語の文章が検索エンジンに見つかることはありません。
3. 見える言語切り替えを置く
すべてのページの同じ位置に、言語切り替えを置いてください。表示は国旗ではなく、「English」と「日本語」のように、それぞれの言語で書きます。Googleも、ほかの言語版へのリンクを置いて、ユーザーが選べるようにすることを勧めています。
切り替えたら、トップページではなく、同じページの別の言語版に移るようにします。Tajでは、言語を切り替えても同じページ・同じメニューの絞り込み・同じスクロール位置のまま表示されます。
やってはいけないのは、自動転送です。Googleは、ある言語版から別の言語版へユーザーを自動的にリダイレクトしないよう求めています。英語設定のスマホを使う日本人や、ホテルのパソコンを使う観光客が、読めない言語から抜け出せなくなるからです。
自動翻訳ウィジェットではだめなの?
自動翻訳ウィジェットは手軽に見えますが、3つの問題があります。
- 検索に表示されない。翻訳は訪問者のブラウザの中で行われるため、Googleがインデックスできる英語のページが独自のURLに存在しません。Googleは、ページの言語を「目に見えるコンテンツ」で判断すると説明しています。
- 品質が伝わってしまう。英語と日本語の機械翻訳は、今でも口調や敬語、メニュー名を間違えがちです。読む人はすぐに気づき、「手を抜いているお店」という印象になります。
- よく知られたツールは、ほとんどのビジネスでは使えない。Googleは2020年の発表で、ウェブサイト翻訳ツールの利用を政府・非営利・非商用のサイトに限定し、それ以外のサイトには有料のCloud Translation APIを勧めています。
機械翻訳は下書きとしては便利です。ただし、その言語が得意な人が、誤りを直すだけでなく読み手に合わせて書き直す必要があります。
言葉以外に、外国人向けに整えるべきことは?
文章を翻訳しても、表記が元の国のままだと、どこか不親切に感じられます。2言語サイトを作るときに、私が毎回確認している点です。
- 住所。日本の住所は郵便番号・都道府県から建物へと大きい順に書きますが、英語では逆の順番が一般的です。英語版は外国人が読み慣れた順番で書き、タクシーや地図アプリ用に日本語表記も残しておきます。
- 電話番号。国内では045-xxx-xxxxでも、海外の方には最初の0を取った+81 45-xxx-xxxxが必要です。どちらの言語でも、タップで電話できるようにします。
- フォーム。日本語のキーボードでは、数字が全角で入力されることがよくあります。Tajでは、全角で入力された電話番号も保存前に変換するので、入力方法のせいで予約が失敗することはありません。
- 支払い方法。実際に使える方法を書きましょう。URBAN TADKAはカード・Apple Pay・Google Pay・PayPay・現金に対応しています。PayPayを知らない観光客もいるので、英語版ではカードが使えることをはっきり書くと親切です。
- 営業時間と休業日。「L.O.」や「定休日」は、英語でわかりやすく説明します。観光客は、日本の祝日がいつかを知りません。
- 日付・価格・名前。言語ごとに正しい書き方で円の価格を表示し、名前を姓と名のどちらから書くかも決めておきます。
多言語サイトでよくある失敗は?
- 2つの言語で1つのURL。ボタンで文字が入れ替わるだけなので、インデックスされるのは1つの言語だけです。
- hreflangが片方にしかない。日本語のページが英語のページを指し返していないと、Googleはどちらも無視します。
- メニューだけ翻訳して、本文はそのまま。Googleは、定型部分だけを翻訳すると、ユーザー体験が悪くなる可能性があると注意しています。
- ブラウザの言語で自動転送。見たい言語のページにたどり着けなくなります。
- 片方の言語だけ更新が止まる。新しい価格や営業時間が日本語版だけに反映され、英語版は去年のまま、というのはよくある話です。両方を同時に更新するか、2つ目の言語のページ数を絞りましょう。
- 国旗で言語を切り替える。英語は1つの国の言葉ではありませんし、日本に住む外国人には、どこを押せばいいか伝わりません。
よくある質問
2言語にするとSEOに悪影響はありますか?
正しく作れば、ありません。言語ごとのURLをhreflangでつなぐのは、Googleがまさにこの場合のために説明している方法で、それぞれの言語で検索結果に表示されます。
すべてのページを翻訳する必要がありますか?
いいえ。それぞれのお客様が実際に使うページを翻訳してください。トップ、メニューやサービス、料金、アクセス、予約や問い合わせです。それ以外は1つの言語のままにして、翻訳済みのようにリンクしないことが大切です。
2言語にすると費用はどのくらい増えますか?
増える費用の多くは、コードではなく2つ目の言語の文章作りと確認です。私は作業を始める前に固定の見積もりを書面でお出しするので、2言語分の金額が最初にわかります。目安はウェブサイト費用の見積もりツール(英語のページ)で確認できます。
まず1つの言語で作って、あとから追加できますか?
はい。最初から言語ごとのURLを前提に作っておけば、あとから /jp や英語のページを追加するのはかんたんです。1つの言語だけを前提に作ったサイトに後付けすると、たいてい構造から作り直すことになります。
お客様が2つの言語を使っていて、どちらでもきちんと機能するサイトをお考えなら、シンプルなビジネスサイトの制作をご覧いただくか、お問い合わせからお気軽にご相談ください。