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小さなお店や会社の方から、よくこんな質問が聞かれます。「どうすればChatGPTにうちの店が出てきますか?」。誰かがAIアシスタントに「近くの水道修理業者」や「横浜で夜遅くまで開いているインド料理店」と聞くと、3つほど名前が返ってくる。そこに自分の店が入っていない、という悩みです。
答えは、まわりで売られている話ほど派手ではありません。GoogleもOpenAIも、AIの回答は通常の検索のクロールの上に成り立っていると、自社のドキュメントで説明しています。普通の検索があなたのお店を見つけられて、ページを読めて、ほかの人の評価も確認できるなら、引用される可能性は十分にあります。そうでなければ、特別な裏技で埋め合わせることはできません。
私は飲食店、職人系のビジネス、人材紹介会社のウェブサイトを作っていて、AI検索への対応はどの案件にも含めています。この記事では、各社が実際に何と言っているか、従来のローカルSEOが今も果たしている役割、そして今週からできるチェックリストをまとめました。GoogleやOpenAIについての記述には、すべて出典へのリンクを付けています。
この記事のポイント
- Googleによると、AIによる概要に特別な要件はありません。通常の検索でインデックスされ、スニペットを表示できる状態であることが条件です。
- ChatGPTの検索はOpenAIのクローラーOAI-SearchBotを使います。これをブロックすると、ChatGPTの検索回答に表示されなくなります。
- 大部分を支えているのは今もローカルSEOです。Googleビジネスプロフィールを埋め、店名・住所・電話番号をどこでも同じにし、本物の口コミを集めること。
- わかりやすいサービスのページと、質問と答えがはっきりした文章が、AIに引用される材料になります。
- 引用元の選び方の詳細は、GoogleとOpenAIの外の誰にもわかりません。「秘密の方法」を売る人には注意してください。
ChatGPTやAIによる概要は、どうやってお店を見つけるのか?
GoogleのAIによる概要とAIモードは、通常の検索インデックスを使います。Googleのサイト運営者向けのAI機能のガイドには、リンクとして表示されるにはページがインデックスされ、スニペット付きで検索に表示できる状態であることが必要で、「追加の技術的な要件はありません」と書かれています。また、どちらの機能も「クエリ ファンアウト」という方法で、関連する複数の検索をサブトピックごとに行い、より幅広いリンクを表示することがあるそうです。つまり、狭い質問ひとつにきちんと答えているページでも、拾われる可能性があります。
ChatGPTの検索は仕組みが少し違いますが、考え方は同じです。OpenAIのクローラーのドキュメントには3つのボットが載っています。検索用はOAI-SearchBotで、OpenAIはrobots.txtで許可することを勧めています。これを拒否したサイトはChatGPTの検索回答に表示されません(単なるナビゲーション用のリンクとしては出ることがあります)。GPTBotはAIモデルの学習用の別のクローラーで、こちらをブロックしても検索からは外れません。OpenAIのChatGPT検索のヘルプページによると、質問を書き換えて外部の検索プロバイダーに送ることがあり、場所に関わる質問では、おおまかな位置情報を店舗情報サービスなどの提携先と共有することもあるそうです。
一方で、どちらの会社も引用元を選ぶ基準の一覧は公開していません。Googleは、要件をすべて満たしていても表示が保証されるわけではないとはっきり書いています。ですから、目指すべきは選ばれ方を操作することではなく、選びやすく信頼できる情報源になることです。
今もローカルSEOが大部分を支えている理由
「近くの〇〇」という質問で、AIが答える営業時間、対応エリア、評価、電話番号といった情報は、ローカル検索と同じところから来ていることが多いはずです。GoogleのAI機能のガイド自体が、ビジネス プロフィールの情報を最新に保つようサイト運営者に勧めています。地域の情報がどこから来るかを示す、わかりやすいヒントです。
ローカル検索の順位についてのGoogleのヘルプページでは、主な要素として関連性、距離、知名度の3つが挙げられています。情報が完全で正確なビジネスほどローカル検索に表示されやすいこと、口コミの数と評価が順位に影響しうること、そしてより良い順位を申請したりお金で買ったりする方法はないことも書かれています。
そして一貫性です。ウェブサイトとGoogleのプロフィールで電話番号が違い、古いポータルサイトには前の住所が残っている。こうなると、情報をつなぎ合わせる側は推測するしかありません。店名、住所、電話番号は、ウェブサイト、Googleビジネスプロフィール、Apple Business Connect、Bing Places、Facebook、そして食べログやホットペッパーのような業界の主なポータルサイトで、まったく同じ表記にしてください。
AI検索でいう「クロールできる」とは?
いちばん手早く確認できるのがここです。見た目は問題ないサイトでも、クローラーには閉じていることがあります。
- robots.txtを確認する。 自分のサイトの /robots.txt を開いてください。「User-agent: OAI-SearchBot」や「User-agent: Googlebot」の下に「Disallow: /」があれば、そのボットはブロックされています。「User-agent: *」の下に「Disallow: /」があれば、すべてのボットがブロックされています。
- サーバーやCDNの設定を確認する。 Googleのガイドは、robots.txtだけでなくCDNやホスティング側でもクロールを許可するよう明記しています。ボット対策の設定によっては、AIのクローラーを初期設定でブロックするものもあります。
- 大事な情報はテキストで載せる。 Googleは重要なコンテンツを「テキスト形式で利用できる」ようにすることを求めています。写真だけのメニューやPDFの中の料金表は、どんなシステムにとっても読み取りにくくなります。
- スニペットをうっかり止めない。 リニューアルのときに残ったnosnippetやnoindexのタグがあると、そのページは候補から外れます。
私自身のサイトのrobots.txtは、管理画面と一部の内部APIのパス以外をすべて許可しています。ほとんどの小さなビジネスのサイトには、この設定をおすすめします。
AIが引用できるページを書く
AIの回答は、短く具体的な事実を拾います。「信頼と実績のサービス」と書かれたトップページからは、使える情報がありません。「川崎市と東京南部でガス給湯器の修理・点検、月〜土曜対応、出張費はページに記載」と書かれたページからは、たくさんの情報を拾えます。
サービスごとに1ページ
主なサービスにはそれぞれページを作り、わかりやすい見出しを付けます。何をするのか、誰向けか、対応エリア、料金のめやすや決まり方、予約の方法。私が作る職人・工務店のホームページも、この形にしています。サービスとエリアをはっきり書くことが、GoogleマップにもAIにも必要だからです。
お客さまが本当に聞くことに答える
毎週電話で聞かれる質問を書き出して、それぞれ2〜3文で答えてください。配達はありますか?駐車場はありますか?見積もりにはどれくらいかかりますか?英語は通じますか?関係するページに載せ、目立たない場所に隠さないことです。私のサイトのトップページにも短い「よくある質問」があり、そのひとつはまさにAI検索についての質問です。
誰がやっているのかを示す
店名、住所、スタッフの実際の写真、短い紹介ページは、お客さまが判断する材料になり、実在するビジネスであることをシステムにも伝えます。日本語と英語の両方でお客さまに対応しているなら、言語ごとにページがあると、両方の検索で見つかりやすくなります。詳しくはバイリンガルサイトは必要かの記事に書きました。
構造化データやllms.txtは効果がある?
構造化データは、ページの中で「これが店名」「これが営業時間」と事実にラベルを付けるコードです。GoogleはまさにこのためのLocalBusinessの構造化データを公開しています。役に立ちますが、GoogleはAI機能のために特別なスキーマは必要ないこと、構造化データはページに見えている内容と一致させるべきことをはっきり書いています。
FAQのマークアップについても一言。Googleは2023年から、FAQのリッチリザルトをよく知られた政府系・医療系のサイトに限定しています。マークアップを追加しても、以前のように検索結果で質問が開く表示にはなりません。それでも、FAQは読む人のために書いてください。大事なのはページに載っている質問と答えそのものです。
llms.txtは、サイトのルートに置くテキストファイルで、AIツール向けに主なページを一覧にしたものです。2024年にJeremy Howard氏が出した提案で、公式の標準ではありません。GoogleのAI機能のガイドは、表示されるために「AI用のテキストファイル」を作る必要はないとしており、2025年にはGoogleのJohn Mueller氏がllms.txtを昔のkeywordsメタタグにたとえています。私のサイトにも /llms.txt があり、主なページとサービスを載せています。置いておくのにコストはかかりませんが、引用されるかどうかが変わるとは思っていませんし、お金を払って作ってもらうほどのものではありません。
今週できるチェックリスト
| やること | 場所 | 理由 |
|---|---|---|
| OAI-SearchBotとGooglebotがブロックされていないか確認 | サイトの /robots.txt、サーバーやCDNのボット設定 | 読めないクローラーは引用もできない |
| Googleビジネスプロフィールの項目をすべて埋める | Googleビジネスプロフィール | 情報が完全で正確だとローカル検索に表示されやすいとGoogleが説明 |
| 店名・住所・電話番号の表記をどこでも同じにする | ウェブサイト、Google、Apple、Bing、Facebook、ポータルサイト | 情報が食い違うと信頼されにくい |
| 満足してくれた最近のお客さまに口コミをお願いし、口コミに返信する | Googleビジネスプロフィール | 口コミと評価は知名度の要素になる |
| 主なサービスごとにわかりやすいページを作る | ウェブサイト | 具体的なページが具体的な質問に答える |
| 実際に聞かれる質問を5〜10個、短い答えと一緒に載せる | サービスのページやよくある質問 | 短くはっきりした答えは引用しやすい |
| メニュー、料金、営業時間をテキストにする | ウェブサイト | 画像やPDFの中の文字は読み取りにくい |
| ページの内容と一致するLocalBusinessの構造化データを入れる | ウェブサイト | 大事な事実にはっきりラベルを付けられる |
| Search Consoleを設定する | search.google.com/search-console | Googleがページをインデックスしているか確認できる |
どれも引用を保証するものではありません。ただ、まとめて行えば、ビジネスが候補から外れるよくある原因を取り除けます。
効果が出ているかはどうやってわかる?
まずは簡単な方法から。お客さまが実際に聞きそうな質問を、地名を入れてお客さまの言葉で、ChatGPTとGoogleに聞いてみてください。答えは人や時期によって変わるので、点数ではなく月に一度のおおまかな確認として使います。
数字で見るなら、GoogleはAIによる概要とAIモードからのアクセスがSearch Consoleの検索パフォーマンスレポートの「ウェブ」に含まれると説明しています。別枠では分かれていません。ChatGPTからの訪問は、アクセス解析でchatgpt.comからの参照として表示されることが多いので、参照元もあわせて見てみてください。
よくある質問
お金を払えばChatGPTやAIによる概要に載せてもらえますか?
順位としては買えません。Googleはローカル検索の順位はお金で買えないとしていますし、GoogleにもOpenAIにも、AIの回答に引用してもらうための有料の仕組みはありません。広告はまた別の話です。
GEOとSEOは違うものですか?
GEO(生成エンジン最適化)は、AIの回答に使われやすい内容にすることを指す新しい呼び方です。地域のビジネスにとっては、実際にはほとんどが良いSEOと同じです。クロールできるページ、わかりやすい内容、信頼される地域のプロフィール。
AIのクローラーはブロックすべきですか?
ChatGPTの検索に表示されたいなら、OAI-SearchBotは許可してください。AIモデルの学習に使われたくない場合はGPTBotだけを別にブロックできます。OpenAIは、それが検索には影響しないと説明しています。
どれくらいで効果が出ますか?
OpenAIのドキュメントによると、robots.txtの変更は約24時間で反映されます。Googleは、クロールには数日から数か月かかることがあるとしています。口コミや評判は、1週間ではなく数か月かけて積み上がるものです。
最初からこの形でウェブサイトを作りたい方は、お問い合わせからご相談ください。